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──この世界の裏で、革命を起こす。
祖父が殺されたあの日から、
暗い夜が自分を覆っている気がする。
17歳の少女、白河詩織は漠然とそう感じていた。
最近自分につきまとうストーカーは、
まるでその夜の一部かのようだ。
先輩の晴夫や後輩の加藤の心配をよそに、
詩織はストーカーを放置していた。
「何もしてこないし、大丈夫ですよ」
だがある夜、ついにストーカーは詩織に襲いかかる。
気を失った詩織は、いつのまにか見知らぬ場所にいた。
目の前には、異様な風貌の人間が4人立っている。
そのうちの1人の少年が、微笑んで詩織に告げた。
「ようこそ、裏世へ」と。
「表世」と「裏世」という表裏一体の世界。
因縁の赤き羽織、「血染織」。
祖父を殺害した者への「復讐」。
少女は血塗られた羽織をまとい、短刀を握る。
夜を明かす、革命のために。
少年は身を縛る制服をまとい、長剣を握る。
夜を消し去る、破滅のために。
交わるはずのない鏡面が互いに手を伸ばすとき、
この夜は革命される──。
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